GitHub Copilot Premium リクエストを調査してみた

JCBデジタルソリューション開発部 PFチームの長沼です。

JDEP で開発に利用している GitHub Copilot において、Premium リクエストが導入されました。

公式ドキュメントによると、Premium リクエストについて以下のような説明があります。 さらに詳しい内容については、こちらの公式ドキュメントを参照ください。

リクエストとは、コードの生成、質問への回答、拡張機能による支援など、Copilot に何らかの処理を依頼するあらゆるやり取りを指します。 チャット ウィンドウでプロンプトを送信するたび、または Copilot からの回答をトリガーするたびに、1 リクエストとカウントされます。
(中略)
有料プランには、Premium リクエストの毎月の許容量も割り当てられています。これは、高度なチャット対話、Premium モデルを使ったコード補完、その他の Premium 機能に使用できます。

チャットのプロンプト送信はリクエスト単位のイメージがつきやすいですが、 自動的に処理を実行していくエージェントモードで Premium リクエストがどのように消費されるかは気になるところです。
そこでエージェントモードで動作させたとき、どのようにカウントされるかを実際に動かして調べてみました。

なお Premium リクエストは正式導入されたばかりであり、以降の調査結果は 2025年6月18日時点のものです。
Premium リクエストの仕様や使用した各ツールの消費方法・消費量は今後、変更となる可能性もあります。

Premium リクエスト消費量の確認方法

Premium リクエストの消費量は、こちらのドキュメントに記載があるように、以下の手順で取得できます。

  1. GitHubにアクセスし、「Billing & Licensing」タブ → 「Usage」の順にクリック
  2. 表示されたページ上部にある「Get usage report」の「Copilot premium requests usage report」をクリック
  3. しばらくするとクリックしたユーザの登録メールアドレスにレポート(csv形式)のダウンロードリンクが送られてくるので、リンクからダウンロード

ダウンロードしたレポートには、以下の情報が含まれています。

  • Timestamp: Premium リクエストを実行した時間
  • User: 実行者の GitHub ユーザ名
  • Model: ユーザがリクエストに使用した生成AI モデル
  • Requests Used: このリクエストで消費した Premium リクエスト(Modelの乗数)

よってエージェントモードを実行した時刻(Timestamp)のレポート情報を確認することで、どのくらいの Premium リクエストが消費されたかを確認できます。

実際にエージェントモードを動かして調べてみた

今回は、以下 2 つのツールを用いた方法を調べて見ることにしました。

公式の Visual Studio Code Extensionを用いた場合

Visual Studio Code の Copilot チャットを起動し、動作モードとして「Agent」を選択のうえ、以下の実行を指示します。

明日の天気を取得する Python スクリプトを作成のうえ実行してください

するとエージェントにより以下の図のような内容が実施されていきます。
実施内容には、ユーザに実行可否の判断を求める確認も複数回含まれます。

Visual Studio Code のエージェント動作

Roo Code を用いた場合

Roo Codeでは設定画面において、下の図のようにAPIプロバイダーを設定することで、Roo Code から GitHub Copilot を利用するよう設定できます。
なお今回、Roo Codeは Version 3.21.0 を用いています。

Roo Code から GitHub Copilot の利用設定

Visual Studio Code と同様の指示を Roo Code にも行います。
すると以下の図のような内容が実施されていきます。

Roo Code のエージェント動作

Premium リクエストの消費結果

前述 2 つの方法を実行したときの Premium リクエストの消費について、レポートから確認してみました。
その結果を以下に示しています。

Premium リクエストの消費

まず Visual Studio Codeを用いた方法は、複数回の確認などを含むにもかかわらず、1 リクエストとして扱われていることが分かります。
よって Visual Studio Codeでは、チャットと同じく プロンプト 1 回の送信で、1 Premium リクエストの消費といえます(乗数が 1 のモデルの場合)。
自動的に処理を実行していくエージェントで、大量の Premium リクエスト消費を懸念しましたが、Visual Studio Code を利用した場合にその心配は少なそうです。

一方、Roo Codeを用いた方法は、Visual Studio Code のときとは異なり、1 回のプロンプト送信に対して、複数の Premium リクエストが消費されているように見えます。
さらに Timestamp や個数に注目すると、「✓ API リクエスト」と表示されている単位で Premium リクエストを消費しているように見えます。
よって、現仕様の Roo Code では API リクエスト単位で Premium リクエストが消費され、自動的な処理により多くの Premium リクエストを消費する可能性がある、と言えます。

おわりに

今回は、GitHub Copilot に導入された Premium リクエストのカウント方法について調べてみました。
現時点では同じプロンプトでも使用するエージェントにより、Premium リクエストの消費量が異なると分かりました。
今後は、こうした観点も考慮し、エージェントを適切に使い分けていくことが重要と感じました。

また レポートには使用したモデルの情報も含まれます。モデルごとの利用傾向などを可視化して分析していくことも今後実施してみたいと思います。

最後になりますが、JCBでは我々と一緒に働きたいという人材を募集しています。 詳しい募集要項等については採用ページをご覧下さい。
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