QSATの新しい施策について

本稿はJCB Advent Calendar 2022の12月19日の記事です。

JCBデジタルソリューション開発部 QSATチームの佐藤です。

本日はJDEP(JCB Digital Enablement Platform) でQAの役割を担うQSATチームの活動と新しい施策をご紹介します。 QAはQuality Assuranceの略で品質保証という意味です。QSATは”Quality, Support, Assurance, Trust"の頭文字をとってチーム名としました。

QSATの活動内容

QSATでは現在4つの活動を行っています。

  1. プロダクト品質評価
  2. プロセス品質評価
  3. 品質メトリクス可視化
  4. テストスキル向上施策

1番目のプロダクト品質評価は、プロダクトリリース前に第三者テストを行い品質を評価しています。この第三者テストの結果から、新しいテストスキル向上施策が生まれました。それが”ソフトウェアテストスキルのeラーニング”です。

ソフトウェアテストスキルのeラーニングを始めた理由

QSATでは、2022年までに4つのプロダクトの第三者テストを行いました。そこで検知されたバグの傾向を分析したところ、以下の特徴があることがわかりました。

  • 境界値周りで発生
  • 2つ以上の条件が起因して発生

例えば「売上金額が設定上限値を超えた翌日に取り消し操作を行った場合〜」のようなケースです。「境界値」「2つ以上の条件」これらのワードはソフトウェアのテストを学ぶ際、基礎の学習内容に出てくるものです。その理由は、バグが発生しやすいポイントだからです。

この事実から、基礎的なソフトウェアテストスキルの強化も品質向上のための有効な打ち手になるのではないか?という仮説をおき、開発チームのメンバーにテストスキルに関するヒアリングを行いました。その結果、ソフトウェアのテストについて体系的に学んだことがある人は意外と少ないことがわかりました。

そこで、JDEP全体のテストスキルのベースアップを図るための施策を考えました。それが”ソフトウェアテストスキルのeラーニング”です。JDEPでは、品質は全ての開発工程でつくり上げるものだと考えています。特定の部署や担当者の努力だけで全てのバグを潰すことは不可能だからです。

テストスキルをシフトレフトする

開発者のテストの精度がより向上することで、QSATが第三者テストを行う頃にはすっかりバグがなくなっている状態が理想といえます。バグを早期に発見できれば、修正にかかるコストも少なくて済みます。QAチームの巨大化を図るよりも、テストスキルをシフトレフトしていこうという作戦です。

このeラーニングは、開発者が隙間時間に気軽にできるように全5問構成で月1回のペースで始めています。5問答えると解説が表示され、ソフトウェアテストに関する知識を深めることができる作りにしています。集計した結果をJDEP全体へ共有することで、自分のチームの平均点がわかり、他チームとの比較ができるようにしています。設問の内容は、今は基礎的なものだけにしています。

終わりに

今回の記事ではQSATのテストスキル向上施策についてご紹介しました。まだ始めたばかりの施策ですが、毎回楽しみにしているという声も聞かれるようになりました。楽しみながらテストスキルを上げていくことができればプロダクト品質の向上をより加速できるはずです。引き続きこの施策をブラッシュアップしていきます。

最後になりますが、JCBでは我々と一緒に働きたいという人材を募集しています。 詳しい募集要項等については採用ページをご覧下さい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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