本稿はJCB Advent Calendar 2023の12月21日の記事です。
JCBデジタルソリューション開発部 QAチーム(QSAT)の佐藤です。
前回は同値分割法について解説しました。
今回はテスト技法の「境界値分析」についてやさしく解説したいと思います。
境目に注目する
境界値分析という文字列を見ると難しく感じるかもしれませんが要は「境目に注意する」ということです。
このテスト技法が基本的なものとして扱われているのは、境界値周りでプログラムのミスが発生しやすいからです。みなさんも、普段使っている「以上」「以下」「未満」など境界値を示す表現で誤解や間違いに遭遇したことがあるのではないでしょうか。
同値パーティションの境界
前回の記事内でも使った仮想のテスト対象で説明します。
テスト対象のイメージは、Web画面で設問に回答していき、最後に点数を表示するアプリケーションです。80点以上の場合にはテスト終了後に「合格」と表示されるとします。満点は100点です。
テスト用のコンソールで任意の整数を入力できることにします。
「合格」と表示される点数の範囲をxとすると「80≦x≦100」と表現できますが、仕様書や設計書の情報を読み違えたり、コーディング時にミスしてしまうことで正しい境界になっていないかもしれません。
上記の例の場合は何点を入力すれば境界を効率よくテストできるでしょうか。
入力値 | 結果 |
---|---|
−1 | エラー |
0 | 不合格 |
79 | 不合格 |
80 | 合格 |
100 | 合格 |
101 | エラー |
これらが確認できれば、境界値分析の考え方に基づいて一通りの入力値が確認できていると言えそうです。 基本的な境界値の考え方は上記の内容を押さえておきましょう。
同値分割法と組み合わせて活用
同値分割法と境界値分析は様々なテストで活用できる基本的な技法です。これらを組み合わせて、効率的で効果的なテストができるようにテストケースを作っていきます。前回の記事もぜひ参考にしてみてください。
おわりに
同値分割法と境界値分析は、開発者のテストでもテスト担当者のテストでも活用できる技法です。多くの開発者の方にもこれらの言葉が広まり、共通言語化されていくことにつながれば幸いです。
最後になりますが、JCB では我々と一緒に働きたいという人材を募集しています。
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