本稿はJCB Advent Calendar 2024の12月20日の記事です。
JCB デジタルソリューション開発部 デザインチームの入尾野と申します。
今回はJDEP(JCB Digital Enablement Platform)の開発体制におけるデザインチームの体制や役割についてご紹介します。
デザインチームのミッション
デザインチームはJDEPのデザイン領域における品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の向上をミッションに掲げ、日々活動しています。単にデザインを制作するだけでなく、お客様視点での価値創出と、効率的なデザインプロセスの実現を目指しています。
チームの構造と体制
デザイン組織の構造は一般的に分散型・集約型・ハイブリット型の3つに分類されます。
デザインチームの立ち上げ前は、各アプリチーム1にデザイナーが存在する分散型の構造となっていました。
こうしたなかで、JDEP上で開発されるプロダクトの数が増え、デザインに関するノウハウやデザイン資産の標準化・共通化をするために立ち上がったのがデザインチームです。現状は、下図の右側にあるように、ハイブリッド型の構造になっています。
デザインチームではデザインシステムのUIライブラリやStorybook実装をアジャイル開発で行っているため、デザイナーだけでなく、スクラムマスターやエンジニアも所属しています。
デザインチームの取り組み内容
デザインチームでは、「アプリ開発」と「DesignOps」という2つのテーマを掲げて活動しています。
アプリ開発
- 具体的なプロダクト要件に基づくUIデザインの制作
- アプリチームにおけるユーザー体験(UX)リサーチの設計と実施
DesignOps(デザイン業務の効率化)
- JDEPにおけるデザイン基盤の整備
- 知識の標準化(UXUIデザイン制作ガイドラインの整備等)
- デザインシステムの構築と運用
- デザインツールの管理・運用 など
デザインプロセスについて
デザインチームの立ち上げ初期に、まず取り組んだことの1つが、理想的なデザインプロセスを可視化・言語化することでした。
理想とするデザインプロセス
デザイン思考のフレームワークであるダブルダイヤモンドや、人間中心設計プロセスなどを参考にしながら、お客様が直面している問題や潜在的欲求を探索・定義し、その解決策をデザインするプロセスをデザイナーやエンジニアと何度も議論しながら作成しました。
現状の課題と打ち手
上記のデザインプロセスはあくまでも理想であり、実際のプロセスはプロジェクトによって様々です。
デザイナーは上流の問題定義工程から参画することが望ましいですが、理想通りにはいかないことも多いです。例えば、プロジェクトによっては“ワイヤーフレームまで出来ているので後続のUIデザインをお願いします”と言われたり、プロジェクトコストの制約により十分なリサーチができずにユーザー像が不明瞭であったり、誰にとっての何の問題を解決するのかが明確に定義できていない場合などもあります。
こうした状況への打ち手として、デザインオフィスアワーという制度の立ち上げに取り組んでいます。
この取り組みは、単なる相談窓口ではなく、JDEP全体へデザインプロセスを浸透させることを目的としています。ふわっとした構想段階でのカジュアルなデザイン相談や第三者視点でのデザインレビュー・UXUIの改善提案などを受け付け、理想とするデザインプロセスを適用した場合にどのようなアウトカムが得られるのか実体験してもらい、プロジェクトの上流工程におけるデザイナーの価値を実証することが狙いです。
結果として、後工程での手戻りコストを削減し、お客様にとって価値のあるプロダクト開発の実現を目指しています。
おわりに
今回の記事ではデザインチームの体制・役割についてご紹介しました。 今後もチーム内でどのような取り組みをしているか、より具体的な内容も共有できればと思います。
最後に、JCBでは我々と一緒に働きたいという人材を募集しています。 詳しい募集要項等については採用ページをご覧下さい。
- アプリと言われるとスマートフォンアプリを想起される方も多いと思いますが、本稿では特定の機能を提供するためにPC・スマートフォン・タブレットなどのデバイス上で動作するソフトウェアのことを指しています。アプリチームとは、特定のアプリを開発しているチームとなります。↩